【社会保障協定とは】(1) 社会保障協定とは、二国間で協定を締結することにより、年金制度等の二重加入を防止するとともに、
外国の年金制度の加入期間を合算し年金が受けられるようにするものです。
なお、相手国から日本国へ派遣される場合も、原則として同様の考え方をします。
(2) 日本国と社会保障協定を締結している国は現在、ドイツ、イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、
フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコ、スペイン、アイルランド、ブラジル、スイス、
ハンガリー、インド、ルクセンブルクの17カ国となっています。(2017年8月時点)
【社会保障協定がない場合の問題点】(1) 二重加入の問題
日本の事業所から海外支店や駐在員事務所などに派遣される日本人については、
日本の社会保険制度と就労地である外国の社会保険制度にそれぞれ加入し、
両国の制度の保険料を負担しなければならない場合があります。
(2) 保険料掛け捨ての問題
派遣期間が短い場合、外国の年金制度の加入期間が短いことから年金が受けられないなど、
外国で納めた保険料が結果的に掛け捨てになってしまうことがあります。
【具体的な運用】
(1) 派遣期間が5年以内の派遣者は派遣元国の社会保障制度に加入のままとし、
派遣期間が5年を超える派遣者は就労地国の社会保障制度に加入する。
(2) 一方の国の年金制度の加入期間のみでは受給資格期間を満たさない場合に、
他方の国の年金制度の加入期間を一方の国の加入期間とみなし、受給資格期間に
通算することにより年金を受けられるようにする。(ただし、通算された加入期間に応じて
計算された年金を、一方の国からまとめて支給するような仕組みにはなっておらず、
年金加入期間通算により支給される年金額は、それぞれの国の実際の加入期間に応じて
計算された額とされます。)
以上は原則的な取扱いですが、協定国により異なる場合があります。
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