あっせんに参加するか否かは会社の自由です。そもそも、あっせんは白黒をつけるところではありませんので、終局的には和解し、金銭で解決するものといってもよいでしょう。
仮に、労働者の一方的な言い分であったとしても、あっせんに参加しないことを理由に、労働者は自分の主張が正しかったかのように吹聴し回るかも知れませんし、会社内のあることないことを吹聴し、そうなると狭い業界や地域では仕事に影響が出ることもあるかも知れません。そもそも、こういった紛争は100%会社が正しいとは言えないケースが結構多いものです。
あっせん合意書では、今後一切他の紛争機関を利用しない、あるいはこの紛争については今後一切他言しない等の一筆を入れるのが普通ですので、金銭で解決できる後腐れのない紛争解決の近道とも言えます。
あっせんは、会社側からも申請できます。
労働者の無理難題に困っていたら、会社側からあっせんを利用するということも一つの方法です。申請費用は無料ですし、相手が受ければ1~2ヶ月で結論が出ます。
なお、特定社会保険労務士は、紛争調整委員会によるあっせんに代理参加できますので、お困りの場合は特定社会保険労務士に相談することも一考でしょう。
【会社があっせんに参加する際のポイント】会社が「あっせん」に参加するとしたら、白黒をつけるところではなく、話合いで解決するところであるということを認識のうえ参加することが重要です。
あっせん参加の確認書に添付された反論書には要点を要約し、会社の主張を書きます(あっせんは通常半日程度で終了しますので、裁判のように膨大な資料を持ち込んでも意味がありません)。なお、あっせん会場では労働者と顔を合わせることはありません。
あっせん当日は、あっせん委員がお互いの言い分を調整しながらあっせん案を提示します。会社は金銭解決の限度額をあらかじめ腹積もりして参加した方が良いでしょう。労働者の要求と会社の提示が隔たりがあれば、合意できずあっせんは打ち切りとなりますが、会社が話合いに応じる姿勢を見せれば、解決する可能性は高いと思われます。
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